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help リーダーに追加 RSS 鳩山法相は死神、それともGJ?・・・。

<<   作成日時 : 2008/06/25 15:47   >>

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>永世死刑執行人 鳩山法相。
>「自信と責任」に胸を張り、2
>カ月間隔でゴーサイン出して新
>記録達成。またの名、死に神。

抗議・批判が1800件以上殺到したという
朝日新聞のバカコラム「素粒子」の問題の一節だが、
死刑問題に関しては本質を理解していない幼稚な論議があまりにも多いので、
ここでコメントしておきたい。
死刑執行命令書に署名するのは、
刑事訴訟法475条に規定があるように法相の義務であって、
「素粒子」のように法相を批判するというのはまったくの筋違い。
死刑がそんなにイヤなら制度そのものを批判すべきなのだ。
また、鳩山GJという声もあるのだが、
法相は単に定められた仕事の一部をこなしているだけなので、
ちょっとこちらも的外れだと言うしかない。
自分があえて仕事の一部と言った意味がわかるひとがどれだけいるのだろうか?

 第475条 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
 2 前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。
 但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされ
 その手続が終了するまでの期間及び
 共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、
 これをその期間に算入しない。

刑事訴訟法475条2項は死刑の執行命令を、
判決確定の日から6ヶ月以内にしなければならないと定めている。
だが、恣意的な選択ではないかと批判されている今回の宮崎死刑囚の処刑も、
判決確定から2年4ヶ月もかかっている。
平成9年から平成18年までの10年間で、
判決確定から執行までの平均期間は約4年3ヶ月。*
スピード執行で世間を驚かせた宅間死刑囚の処刑ですら確定から約1年後であり、
現状、刑事訴訟法475条2項は完全に有名無実化してしまっている。
なぜこんな状況が起きてしまっているのかというと
刑事訴訟法475条第2項通りに6ヶ月以内に処刑しなくても
違法性はないとしたバカ判例があるからだ。
ここでその該当部分を引用してみよう。

【裁 判 所】 東京地方裁判所
【事件番号】 平成9年(ワ)第9079号
【裁判日付】 平成10年3月20日
【裁 判 官】 成田喜達・山崎勉・中丸隆

>思うに、同項の趣旨は、同条1項の規定を受け、
>死刑という重大な刑罰の執行に慎重な上にも慎重を期すべき要請と、
>確定判決を適正かつ迅速に執行すべき要請とを調和する観点から、
>法務大臣に対し、死刑判決に対する十分な検討を行い、
>管下の執行関係機関に死刑執行の準備をさせるために必要な期間として、
>6ヶ月という一応の期限を設定し、
>その期間内に死刑執行を命ずるべき職務上の義務を課したものと解される。

>したがって、同条2項は、それに反したからといって特に違法の問題の生じない規定、
>すなわち法的拘束力のない訓示規定であると解するのが相当である。

6ヶ月以内の規定なんて法的拘束力ないもんね〜と言われている根拠がこれだ。
自分が初めてネット上でこの引用を読んだ時、
「したがって」の前の1番重要な部分が省略されているとしか思えなかった。
この文章がどういう構成になっているかというと、

 2項によれば死刑執行を命ずるのは職務上の義務だと解される。
 したがって、この2項に反しても違法ではなく、2項に法的拘束力はない。

構成上、この2文の間には、「しかしながら○○は△△である。」と
違法とはならない根拠が示されなければならないはずなのに、それが見あたらないのだ。
ネット上でも法的拘束力なしの根拠として本判例がよく引き合いに出されるのだが、
詳しく判断の根拠が説明されているものはない。
訓示規定なので法的拘束力はないでは、実は何の説明にもなっていない。
訓示規定であるというのも法的拘束力はないというのも、
どちらもすでに下された判断そのものであって、
判断を下すに至った根拠ではないので、
根拠→判断という文章構成ではなくて、
根拠なしに判断を並べているだけなのだ。
一部の引用を読んで考えていてもしかたないので、
鶴舞図書館まで行って、判例の全文にもあたってみたが、
省略されている文章というのはなかった。
本条には罰則がついておらず、
反したところでそれを直接罰することはできないというのは事実なのだが、
それは反しても違法にならないということとは違う。
法相が6ヶ月以内に死刑を執行命令を出さなければ、
その行為を罰することはできなくても、それは違法と言うしかないのだ。
また、義務を担保させる罰則がないということは、
法の拘束力がない(=守らなくていい)ということではなく、
それはただ単に罰則がないというだけなのだ。
守らなくていいのなら、そもそもこの規定を立法する必要はなく、
この地裁判断の法的拘束力なしというのは、
立法の趣旨の否定と言うしかない。
本判例を法解釈としては妥当という珍説もあるようだが、
本件の被告は国であり、行政と司法の汚い馴れ合いから、
罰則がないのをいいことに違法行為がまかり通る現状を
ただ追認しただけというのが真相なのだろう。
小学生でも違法だとわかることを違法性なしとごり押ししようとするがために
根拠なくいきなり結論に飛ぶというトンデモ判決になってしまっているのであって、
本来、本件の判断部はこうなっているべき。

 思うに、同項の趣旨は、同条1項の規定を受け、
 死刑という重大な刑罰の執行に慎重な上にも慎重を期すべき要請と、
 確定判決を適正かつ迅速に執行すべき要請とを調和する観点から、
 法務大臣に対し、死刑判決に対する十分な検討を行い、
 管下の執行関係機関に死刑執行の準備をさせるために必要な期間として、
 6ヶ月という一応の期限を設定し、
 その期間内に死刑執行を命ずるべき職務上の義務を課したものと解される。
 同条2項は、それに反したからといって特に罰則を規定しているものではないが、
 6ヶ月という具体的な期限の設定がされている本項を
 単なる努力目標である訓示規定と解するのはいかにも不自然で、
 法的拘束力のある義務規定であると解するのが相当である。

前掲のバカ判決と読み比べてみれば、
どちらが妥当かというのは一目瞭然だろう。

少し長くなってしまったので、
この違法状態の問題点については次稿で論じることにする・・・。

*世間では平均期間は7年という説だけがひとり歩きしているが、7年という数字は
 再審請求や恩赦の出願で引き伸ばし戦術をとっている死刑囚も含めての数字で
 それらを除外して、何の障害もない状態での平均期間は約4年3ヶ月となっている。
 (衆議院会議録情報 第168回国会 法務委員会 第5号)


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