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zoom RSS アルプス社のための地図編集者入門8・・・。

<<   作成日時 : 2005/06/29 12:19   >>

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さて、前回は品川の図面を見て
ちょっとドキドキしてしまうような1流の編集者になってほしいと言ったが、
ドキドキのひとつをまだ話していなかったので、今日はそこから始めよう。
「都営芝浦第2アパート」と「港南4丁目第3アパート」のあたりを
2004年版と2005年版で見比べてみてほしい。
「せんせっ、同じで特に変なところはありません。」
「変わってないというのはちょっと変だね。」
「・・・。」
ここでは「都営芝浦第2アパート」の
小さな黒い数字の棟番号とその配置に注目してほしい。
12、13、16、17、18、19、20の棟番号から、
1〜11、14、15が欠番になっており、
その棟数と全体の配置から考えて
「都営芝浦第2アパート」南側の敷地および、
現在の「港南4丁目第3アパート」の場所に、
かつて、欠番の棟が建っていたと推定できる。
図面は、「都営芝浦第2アパート」の敷地の
南1/3を取り壊して、「港南4丁目第3アパート」が建設され、
真ん中1/3も取り壊されて更地になっている状態なので、
1流の編集者であるなら、
今でも本当にこの状態なのか?と疑うのが普通だ。

 実際には「都営芝浦第2アパート」の南側2/3撤去と
 「港南4丁目第3アパート」の追加という修正は、
 2年以上前の自分のロハの情報提供でされており、
 それ以降、1度も見直されていないというのが事実・・・。

手元にある家形までわかる詳細地図によれば、
19、20棟を除き、他の棟は撤去されているので、
おそらくは現状はその状態、もしくは、
すべての棟が撤去されている可能性もあるだろう。

確かに地図というのはある瞬間を切り取るということなので、
できあがった時から陳腐化するものなのだが、
陳腐化する可能性は、どの場所でも一律ということではない。
施設の種類や規模、地域性でそれは変わってくる。
図面からそれを読み取り、
危険なエリアについては必要な手段を講じる、
それが地図編集者の手腕なんだよ。

ここでは、たまたま住宅群の棟番号の欠番というヒントがあったが、
地図面をチェックしていく際には、
特に住宅群の建物の形、大きさと、並び、
それに立地に注意して、チェックしてみてほしい。
比較的小さな単純な長方形の建物群が、立地のいいところに、
ほぼ平行に並んでいると、それだけで自分なんかはドキドキしてしまう。
特に○○社宅と銘打たれているようなところには要注意だ。
例えば「携帯mini東京マップ」69LA3に、
2棟構成の「NTT社宅」とあるが、
このあたりは、非常に危険な香りがただよっているといえるだろう。
実際、ここの「NTT社宅」は2年半くらい前には取り壊されて、
2003年5月には、「ガーデン御殿山」という1棟のマンションになっている。
「NTT社宅」の東隣の3棟は、もともと郵政省時代の職員宿舎だったが、
ここも確か2年半以上前に立て替えられて、
A棟からD棟までのちょっとトリッキーな形状の4棟構成になっている。
さらには、「横浜ゴム社宅」の場所は、2003年7月には、
スカイコート品川御殿山EASTとWESTという2棟のマンションになっている。
要するにこの一帯は、もう原型をとどめないほど、変わっているというわけだ。

かつて、アルプス社の編集以外の部署にいた自分は、
あまりにもしょっぱいミスの連続に業を煮やして、
そんなに予算、予算とお金のことを気にするのなら、
自分がタダで地図面をチェックします!と、
当時の社長、井手健一郎に進言したことがある。
しかし、社長も、制作の責任者である池上充宏も、
自分に地図面のチェックを依頼しにくることはなかった。
当時、井手も池上も「いい地図を作る」ことなど
なんの興味もなかったということは断言できるし、
現在のアルプス社の商品レベルを見る限り、
池上の本質は少しも変わってはいないだろう。
「お金をかけないでいい地図を作る」とか
「素人でも編集ができる」とか
聞こえのいいお題目もいいのだが、実際に行われているのは、
「お金をかけないで」「素人がしょっぱい素人編集をやっている」だけで、
そんなことだったらどんなバカでもできる。
だが、そんなしょっぱい地図を誰が買うんだ?

かつてのアルプス社の社是は
「地図を通じて社会に貢献する」というものだった。
その意味を本当に理解していたものが
どれだけいたかは疑問だが、
少なくともプライドを持って
命を削る勢いで自分の仕事にあたっていた
プロの地図編集者がいたということを自分は知っている。
ものを知らないボスに予算を削るだけ削られて、
出版するそばから「どういう神経なのか?」「恥さらし」と
強力なクレーマーくんに攻撃されて、
編集者が自分の仕事に誇りを持てなくなるような地図会社に
はたして存続していく価値があるのか?ということは
やはり考えてみてほしい。

まあ、今日はこのへんにしておいてやるか・・・。

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